税理士受験と仕事を両立するには

税理士試験は難易度が高く、長期にわたる学習計画が求められる国家資格です。特に社会人にとっては、仕事と学習の両立が最大の課題となります。実際に、働きながら合格を目指す方は少なくありません。

ここでは、無理なく勉強を継続し、合格へ近づくための方法を紹介します。

一度に全科目受験をしない

税理士試験は全11科目のうち5科目に合格する必要があります。しかし、社会人が一度に5科目を受験するのは現実的ではありません。そのため、1年に何科目を学習するか、学習計画を立てることが重要です。

例えば、1年目に簿記論・財務諸表論のどちらかを選び、2年目に消費税法といったように段階的に受験する方法。この進め方なら仕事との両立がしやすく、精神的な負担も軽減できます。着実に積み重ねる姿勢が、合格への近道になります。

スキマ時間を使って勉強する

社会人の学習時間は限られています。そのため、毎日2～3時間をまとめて確保するよりも、通勤時間・昼休み・就寝前などのスキマ時間を積極的に活用することが効果的です。

例えば、通勤中に理論暗記を繰り返す、お風呂で音声教材を聞く、昼休みに問題演習を1問解くといった工夫が挙げられます。また、予備日をあらかじめ設定しておくことで、突発的な残業や体調不良にも対応できるでしょう。

こうした「小さな積み重ね」が、着実な成果へとつながります。

ストレス管理もしておく

仕事と勉強を両立する生活は、どうしてもストレスが蓄積しやすくなります。そのため、定期的なリフレッシュの時間を確保することも重要です。

スポーツやジムで体を動かす、映画やドラマで気分を変える、友人と会話するなど、自分に合った方法で心身を整えましょう。また、どうしても学習に集中できない日は、無理に机に向かわず数日休むことも有効です。

適度な休息によってモチベーションを回復させ、長期的に勉強を続けやすい環境を整えることが、合格への継続力を支えます。

合格までにかかる時間

税理士試験の合格には、一般的に4,000時間前後の学習が必要とされています。簿記や会計知識がある人は短縮できる場合もありますが、初学者では6,000時間以上かかることも。

科目ごとの目安は、簿記論・財務諸表論で各400～500時間、法人税法や所得税法では600～700時間、そのほかの税法は150～500時間程度と、目安時間に幅があります。

社会人の場合、1日2時間の学習を続けても年間700時間程度なので、合格までには数年を要するのが一般的です。現実的なスケジュールを立て、年単位の長期戦として取り組みましょう。