税理士がキャリアを築く上で、会計や税務に関する専門知識は不可欠です。しかし、独立開業や事務所の管理職を目指す場合、それだけでは十分ではありません。チームを率い、組織として成果を出すためには、多岐にわたる「マネジメント力」が求められます。
ここでは、税理士のキャリアアップに役立つマネジメント力について、4つの側面に分けて紹介します。
マネジメント力とは、一般的に「管理能力」を指し、ビジネスにおいては企業の経営資源を管理する能力のことです。経営資源には「ヒト・モノ・カネ」などが含まれます。部下やメンバーを率いる「リーダーシップ」が主に「ヒト」を対象とするのに対し、マネジメントは人材だけでなく、業務の進捗や資金など、より広い範囲を管理対象とします。
変化の速い現代において、組織で活躍するためには、この両方の能力が重要です。
企業の経営戦略を実現するために、従業員の能力を活かし、組織全体のパフォーマンスを高めるための仕組みのことです。具体的には、公平な評価制度の構築や、スキルアップのための研修環境の整備などが挙げられます。適切な人材マネジメントは、従業員の意欲向上につながり、結果として組織全体の成長に貢献します。専門家集団である税理士事務所においても、組織力を高める上で重要な要素です。
チームや部署の業務を円滑に進めるための管理能力です。まず、組織全体の目標に沿った部署の目標を設定し、それを達成するための具体的な計画を立てます。誰が、いつまでに、何を、どのように進めるのかを明確にし、定期的に進捗を確認します。
計画と進捗を管理することで、業務の遅延や漏れを防ぎ、チーム全体の生産性を高めることにつながります。着実な業務遂行は、顧客からの信頼獲得にも直結します。
顧客との良好な関係を体系的に管理し、長期的な信頼関係を築くための手法です。顧客の基本情報や過去の取引履歴などをデータとして管理・分析し、それぞれの顧客のニーズに合った提案やサービスを提供します。
顧客満足度を高め、継続的な関係を維持することが可能になります。税理士業務においても、顧問先一社一社との関係を深化させ、安定した事務所経営の基盤を築く上で欠かせない考え方です。
自分自身の精神的、身体的な状態を良好に保ち、安定して能力を発揮するための自己管理能力です。例えば、ストレスを適切に解消したり、計画的に休息を取ったりすることが含まれます。
リモートワークの普及や働き方の多様化により、自律的に業務を進める場面が増えています。心身の健康を維持し、常に高い集中力で業務に取り組むことは、専門家としてのパフォーマンスを維持する上で大切な基盤となります。
税理士がキャリアアップしていくためには、税務や会計の専門性に加え、ここで紹介した「人材」「業務」「顧客」「セルフ」といった多角的なマネジメント力が必要です。チームや組織全体の成果に貢献するだけでなく、顧客との信頼関係を深め、自身のキャリアの可能性を広げることにもつながります。
日々の業務の中から、これらのマネジメント力を意識的に養っていくことが、将来の成長に向けた重要なステップとなるでしょう。
ここでは税理士に特化した転職エージェントサービスを提供している特化型のエージェントを3社ピックアップ。それぞれの目的別におすすめのエージェントを紹介します。
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そのなかで公式HPで確認できる情報をもとに以下の項目で最も求人件数が多かった企業をピックアップしています。
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参照元:レックスアドバイザーズ公式HP(https://www.career-adv.jp/job_search/tax/)
※2 未経験者歓迎の求人が最多!=1,795件で最多だった「ヒュープロ」を選定
参照元:ヒュープロ公式HP(https://hupro-job.com/)
※3 事業会社の求人が最多!=43件で最多だった「マイナビ税理士」を選定
参照元:マイナビ税理士公式HP(https://zeirishi.mynavi-agent.jp/)
(2024年11月1日調査時点)